コラム

ワンデーオペは便利?実はそこに潜むリスクとは

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ICL
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2025.06.24
 最近、ICLやLASIKなどの近視矯正手術において、「ワンデーオペ」という言葉を目にすることがあります。
これは、初診・術前検査・手術・術後説明がすべて1日で完結するというスタイル。遠方から来院する方にとっては便利なように感じられるかもしれません。

しかし実際には、この“スピード重視”の流れには大きなリスクが潜んでいます。

ICLやLASIKなどの屈折矯正手術は、ただの視力回復手術ではありません。
患者さん一人ひとりの眼の状態を丁寧に評価し、「本当に手術が適しているのか」「どの治療法がベストか」を判断するには、複数回にわたる精密な検査と経過観察が必要不可欠です。

たとえば、調節力を一時的に止めて正確な度数を測る「調節麻痺検査(サイプレジンもしくはミドリンP)」は、結果が安定するまでに時間がかかります。
また、角膜の厚さや形状、眼圧や眼底の状態などを詳細に評価するには、日を分けての診察が安全です。

さらに、十分なインフォームドコンセント(説明と同意)が行われないまま、手術に進んでしまうケースも報告されています。
後悔しない治療を受けるためには、医師からの丁寧な説明を聞き、患者自身が納得して決断する時間が必要です。

見た目は便利でも、医療に“スピード決着”が必ずしも安全とは限りません。
眼は一生もの。だからこそ、時間をかけて慎重に向き合ってくれる医療機関を選ぶことが何より大切です。

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